■■ 8月6日(土) ■■

 

■東北の被災地に支援物資を届けて
 伊賀市上野玄蕃町 南出寛三(76歳)
7月、伊賀市と名張市の市民から寄付していただいた分も含め、支援物資を車に積んで東北に向かった。
宮城県に入り、仙台から塩釜、東松島を経て石巻に着いたのは11日深夜。コンビニの薄暗い駐車場の隅に車を停めた。蚊取り線香をつけ、支援物資の詰まった後部座席にはいあがって寝たが、天井につかえそうで、パジャマだけでも蒸し暑く、疲れているのに眠れない。コンビニのトイレを3度拝借した。
翌日の朝、さっそく南三陸町の役場を訪れた。持参した支援物資うち、受け付けてくれたのはお米とそうめんだけで、衣類は受け取ってくれない。若い職員が持ってきたノートに住所、氏名を記入すると、「どうぞお引き取りください」とのことだった。
気仙沼に入った。岩井崎という景勝地で、地下に潜った波が水しぶきとなって吹き上げる潮吹き岩というのを見ていたら、地元の婦人が近寄ってきて、「あの舟は行方不明の人を捜してるんですよ」と沖のほうを指差して教えてくれた。「遺体は上がるんですか」と尋ねると、「いいえ、流されたがれきにからまって、人は浮いてこないのよ」
その浜で美しい縞模様の石見つけ、抱えて助手席に入れた。三陸みやげというより、亡くなった人たちを追悼するため我が家の庭に置くことに決めた。
もう60年もまえ、このまちのお茶屋さんに一泊させてもらったことがある。訪ねてみると、親切だったおじいさんはすでに亡くなっていて、私より10歳ほど若いご主人が応対してくださった。「正面の道と右手の道の両方から津波が襲ってきて、店内はめちゃめちゃになりました。ごらんのとおりのありさまですよ」
隣町の陸前高田は、やはり60年まえ、3年暮らした青春の思い出の詰まった静かなまちだ。それが根こそぎ津波にらわれてしまった。高田の市役所もお米とお菓子を受け取ってくれるだけで、衣類は余って困っているとのことだった。
釜石市、それから、町長さんも流されたという大槌町、そして山田町。これがまちだったのか、という荒れたありさまに呆然として通り過ぎた。廃墟と化し、がれきの山が悪臭を放っている。あちこちで作業するボランティアもさぞ大変なことだろう。
受け取ってもらえない衣類をどうしよう。スーパーで買ったばかりの新品で、LやMというサイズの表示のある肌着なら、分配しやすい。いくら洗ってあっても古着は喜ばれないらしく、のまちの倉庫にも山と積まれ、処分に困っているといわれた。
伊賀から持っていった食料品はすべて引き取られたが、バナナの空き箱20箱に詰めた衣類は車から一つも出て行かない。とうとう岩手県の北の方、久慈市の手前、野田村まで来てしまった。
役場に行かず、50戸ばかりの仮設住宅に立ち寄ってみた。世話役らしい50代の方に会って事情を説明すると、集会所のカギを開けてくれた。衣類5箱を降ろして、「明日また来ます。それまでに住宅の方々で必要な品を自由にお持ち帰りください」とお願いして名刺を置き、車で次の仮設住宅に向かっ。
中学校のグランドに200戸ほどの住宅が設けられていた。地元の自治会長さん夫婦と集会所に行き、15箱の荷物を降ろした。「三重県伊賀市と名張市の有志の方から寄付してもらった衣類です。どうぞご自由に持ち帰ってください」と書いた紙を置いて外に出ると、会長さんの奥さんがお茶とまんじゅうをくださった。
さて、明日までどこで過ごそうか。岩泉町に有名な洞窟があったはずだ。龍泉洞だ。足を運んでみた。外気は28度だが、洞穴内は10度しかない。ゆっくり洞穴を歩くと、外へ出たくないとさえ思われてきた。
次の朝、二つの仮設宅に行ってみた。5箱残って、15箱分を引き取ってもらえた。地元の人が「遠くからよく来てくれた」と労をねぎらってくださった。役所とはどこかちがう。
車のタイヤが一つパンクしていたが、親切な修理屋さんが迎えに来て、彼の工場で錆びた釘を抜いてくれた。修理代は受け取ってくれず、逆に缶入りのお茶を渡してくれた。
野田村は昔から製塩の村だった。浜で採れた塩を6、7頭の牛の背に乗せ、800メートルの峠を越えて、盛岡へ売りに出た。盛岡では塩一斗に米一斗といわれ、秋田まで足を伸ばすと塩一斗が米三斗になったという。塩を運ん牛は「塩ベコ」と呼ばれた。
千年つづいた野田の塩ベコも、近代化の波に追われて戦後に姿を消した。塩ベコの野田のことだ。津波から立ち直って、ベコの歩みのように着実に峠を登って行くことだろう。
私もその平庭峠に登り、森岡へ出て、東北道で東京を目指して帰路に着いた。地元の人たちの温かい声に送られて。( 写真は野田村にある塩ベコの像)

■絵画、書道、写真など4部門で名張市美術展9月28日に開幕
第54回名張市美術展覧会は9月28日から10月2日までの5日間、丸之内の市総合福祉センターふれあいで催される市と市教育委員会が主催し、岡田文化財団が協賛。展示は絵画、書道、写真、美術工芸の4部門。
応募資格は、市内に在住か在勤在学する15歳以上の人(中学生は除く)。作品は自作で未発表のものとし、各部門とも一人一点。所定の出品申し込み書(3枚複写)に記入し、作品搬入日に受付に提出する。受付後、出品票(複写の2枚目)を作品に貼付。額、軸には必ずひもをつける。出品申し込み書と釈文用紙(書道)は各地区公民館、名張連絡所、市役所案内窓口、教育委員会生涯学習室で配付している。
賞は、市長賞、議長賞、教育委員会賞、おきつ文化賞、選考委員会奨励賞、岡田文化財団賞(新人奨励賞)、努力賞。出品手数料は一作品千円。
作品の搬入は9月24、25日の午前10時から午後4時。展示作品の搬出は10月2日午後5時から8時、3日午前10時から正午。選外作品は会期中に搬出する。
表彰式は2日午後2時から市総合福祉センターふれあいで。2日午後3時からは審査委員による受賞作品などの講評が部門別展示会場で行われる。
問い合わせは市教育委員会生涯学習室(電話0595・63・7892)へ。
作品規定は次のとおり。
▼絵画=日本画(水墨画を含む)油絵、水彩画、パステル画、アクリル画、版画などで、額装する。二十号以上百号以下。
▼書道=漢字、仮名、漢字仮名交じり文、篆刻、少字数、墨象で、条幅表装、枠張、額装、帖巻子とする。屏風も可。軸作品は縦二百センチ以内とする。作品には必ず釈文を添える。
 ▼写真=モノクローム・カラーとも四ツ切以上半切以下で額装またはパネル張。組写真も可(一枚張で半切以下)。デジタルプリントも可(四ツ切以上A3ノビまで)。いずれの場合も、額サイズを51×59センチ以内とする。
▼美術工芸=彫刻、陶芸、工芸、その他の立体造。手動可能なもの。


中学生のメッセージ2011 28日午後1時から名張市のアドバンスコープADSホールで。第33回少年の主張三重県大会。三重こどもわかもの財団が主催し、名張市青少年育成市民会議と伊賀市青少年育成市民連絡会議が協力。発表者は十四人。伊賀地域からは伊賀市2、名張市2の4中学から一人ずつが出場する。名張中学校オーケストラ部の特別演奏もある。入場無料。申し込み不要。問い合わせは同財団(電話0598・22・4911)へ。


名張商工会議所女性会エアロビクスのご案
 ▽日時=毎週土曜日(第5土曜除く)午後7時30分〜8時30分
 ▽場所=名張産業振興センター・アスピア(8月6日は都合によりスポーツマツヤマの2階で開催します)
 ▽講師=松山比香里先生、芝田記代先生
 ▽参加費=500円/1回
 ▽服装=自由(動きやすい服装、靴でお越しください)
 ▽持ち物=タオル、飲み物等
 ※どなたでもご参加できます。お子様とご一緒のご参加も歓迎いたします。一日だけのご参加もOKですよ。
 ※8月13日(土)は申し訳ありませんが、お休みです。
名張商工会議所/電話63・0080

   

 ■■ 8月5日(金) ■■

 

■粗大ごみの再生品を入札制で販売
伊賀市奥鹿野の伊賀南部クリーンセンターで5日から24日まで、粗大ごみとして受け入れた木製家具などを修繕した再生品が展示され、入札制で販売される。
時間は、平日が午前9時から午後5時、日曜・祝日は午後1時から5時。土曜は閉館。展示場所は同センターのリサイクルプラザ1階。
展示期間中、備えつけの入札票に必要事項を記入し、入札箱に投函して入札する。開札日は25日。開札結果を館内に展示し、落札者には郵送で通知。落札者は二週間以内に現金を持参して引き取る。
落札後の取り消しはできない。入札最高価格が複数の場合は公開抽選となる。
問い合わせは伊賀南部環境衛生組合(電話0595・53・1120)へ。


市民陸上競技大会兼マスターズ陸上競技大会 20日、名張市夏見、市民陸上競技場で。午前8時30分に受付を開始。対象は小学3年生以上。参加費は小・中学生200円、高校生300円、一般・マスターズ500円で、当日徴収。雨天の場合は27日に延期。申し込みは7日までに市総合体育館に備えつけの用紙で同窓口へ、問い合わせは市陸上競技協会(川合さん、電話090・7437・5415)へ。
女性創業塾 27日、9月3日・10日、伊賀市ゆめが丘1丁目、ゆめテクノ伊賀で。内容は創業に向けての基礎知識の習得とビジネスプランの作成。午前9時30分から午後4時30分まで。定員は先着順20人。受講料5,000円。申し込みは17日まで受け付けている。問い合わせは伊賀市商工会(電話0595・45・2210)へ。


名張商工会議所女性会エアロビクスのご案内
 ▽日時=毎週土曜日(第5土曜除く)午後7時30分〜8時30分
 ▽場所=名張産業振興センターアスピア(8月6日は都合によりスポーツマツヤマの2階で開催します)
 ▽講師=松山比香里先生、芝田記代先生
 ▽参加費=500円/1回
 ▽服装=自由(動きやすい服装、靴でお越しください)
 ▽持ち物=タオル、飲み物等
 ※どなたでもご参加できます。お子様とご一緒のご参加も歓迎いたします。一日だけのご参加もOKですよ。
名張商工会議所/電話0595・63・0080

 

 ■■ 8月1日(月) ■■

 

■つつじが丘夏祭り 中央グランドで6日に開催〜盆踊りや模擬店で住民交流
会場に東日本大震災の義援金箱を設置
地域住民の交流を目的にした「つつじが丘夏祭り」が6日、名張市のつつじが丘中央グラウンドで催される。
つつじが丘自治会が主催し、地域の関係団体などが一体になって夏の恒例イベントを盛りあげる。今年で33回目。
午後3時30分に開幕し、吹奏楽やゲーム、ダンス、体操などのあと、いよいよ盆踊りが開幕。大きな踊りの輪が広がり、模擬店もにぎわいを見る。午後10時に閉会。
会場には駐車場がないため、同自治会は徒歩での来場を呼びかけている。会場には東日本大震災の義援金箱を設置し、訪れた市民に協力を要請する。
雨天の場合は翌7日に延期。7日も雨天の場合は中止。
プログラム
15:30 吹奏楽演奏 南中学校吹奏楽部
15:50 開会宣言 師玉文化スポレク部長
15:55 ビンゴゲーム 中学生以下(幼児は保護者同伴)
17:00 ダンス ジュニアダンスチーム
17:20 自治会長挨拶 飯島自治会長
17:25 来賓挨拶 亀井名張市長
17:30 ヒップホップダンス Fun Hop L.A.Style
18:00 ヒップホップダンス ジャカ&グルト& GSS
18:30 ヒップホップダンス ヘイビッグ&チームP
19:00 ソーラン節踊り 桜花女(おかめ)
19:20 ソーラン節踊り つつじが丘・春日丘地区社協
19:50 リズム体操 らくらく体操クラブ
20:00 民謡演奏 似賀之家(いがのや)江州音頭
20:30 民謡演奏・踊り つつじが丘民謡愛好会、なかよし民謡
22:00 閉会宣言 小引自治会副会長

■なばり夏能 金剛流能「海人」や大蔵流狂言「千鳥」
能楽を大成した観阿弥が座を建てたとされることにちなむ恒例の「なばり夏能」は六日、名張市松崎町のアドバンスコープADSホールで催される。
演目は廣田泰能さんらによる能「海人(あま)」(金剛流)、松本薫さんらによる狂言「千鳥」(大蔵流)のほか、仕舞「熊坂」「遊行柳(ゆぎょうやなぎ)」「氷室(ひむろ)」(いずれも金剛流)。
午後2時30分開場、3時開演、5時ごろ終演の予定。入場無料。
午後1時30分から同ホールリハーサル室で事前学習会がある。参加無料。定員は先着100人。
問い合わせは市教育委員会事務局文化生涯学習室(電話0595・63・7892)へ。