■■ 9月8日(土) ■■

 

■農業の劇的な変化を詩で記録・北田一正さんが集大成の一冊
酪農のかたわら詩作をつづけ、農民詩人として知られた伊賀市下友生の北田一正さんが『北田一正詩集』をまとめた。脳内出血の後遺症でからだの自由がきかない北田さんにかわり、妹の夫にあたる西高倉、仲川忠道さんが編集と発行を担当。青年期からの詩と文章を一冊に集大成した。
北田さんは1937(昭和12)年、旧阿山郡友生村に農家の長男として生まれた。55年に上野高校農業科を卒業し、乳牛を飼って酪農家の道を歩み始めた。詩作にも力を入れ、57年に友人と発刊した同人誌「だんだん畑」に多くの詩を発表。62年には「上野詩人」を創刊した。
農村の生活や酪農家の日常に題材を求め、高度経済成長を背景に日本の農業が劇的に変化してゆく過程を詩で記録した。67年『乾燥列島』、翌年『一つの農民像』と詩集二冊を出版したほか、「朝日ジャーナル」などにエッセイも寄稿した。
詩人で評論家だった松永伍一の『日本農民詩史』(67─70年)では、農民詩人のひとりとして大きく紹介され、「北田の本領は自然の動きのディテールを踏まえて、そこに自己を核として動いていく農の現実を表現することにあるようだ」と評された。
詩人の伊藤信吉が編んだ『土の詩・ふるさとの詩』(69年)には、宮沢賢治、高村光太郎ら日本を代表する近代詩人に並んで、北田さんの作品が七編、収録されている。
やがて農業を取り巻く環境が変わり、酪農で生計を立てられない時代が訪れた。北田さんは74年、20年つづけた搾乳をやめて会社勤めを始め、翌年には牛の飼育にも終止符を打つことになった。
81年、個人誌「荒野」を創刊して詩と文章を発表したが、84年の第4号を最後に廃刊。97年に定年退職して農業主体の生活に戻ったが、99年、脳内出血で倒れた。
『北田一正詩集』はA5判、344ページ。北田さんの作品をとりあげた評論も収録されている。
問い合わせは仲川忠道さん(電話・ファクス0595・21・5508)へ。


●第2回虐待DVを考える会 9日午後1時30分から名張市市民情報交流センターで。参加無料。申し込み不要。主催は市人権センター(電話0595・63・0018)。
●名張写友クラブ第36回写真展 14日から16日まで名張市元町、イオン名張店3階リバーナホールで。市内の写真愛好家が出展し、藤の会が添え花で協賛。午前10時から午後6時(最終日は4時30分)まで。出品は次のみなさん。
石田英二、浮本茂徳、小川和郎、川口圭一、北川裕之、國見彌太郎、三分一勉、城本好正、瀬森義和、瀬森房子、谷戸允子、遠山英男、堂道吉郎、中村秋一、東出勲、東出昭子、平沢義昭、福井信也、山本浩


第196回珠算能力検定試験要項
▽試験日=10月28日(日)
▽試験会場=名張産業振興センター「アスピア」4階会議室F(都合により、変更する場合がありますので、ご了承ください)
▽試験開始時間=珠算4級〜10級…午前9時、珠算1級〜3級…午前9時、段位…午前9時、暗算1級〜6級…午前9時45分
▽受験資格…学歴、年令、性別、国籍に制限はありません。
▽申込受付期間=9月14日(金)まで
▽申込場所=名張商工会議所管理課(南町822-2、電話64・5353)
▽申込要領=〈申込書類〉@申込書(1級のみ写真1枚、縦4.5×横3.5センチ)A受験料(申込後の受験料は試験施行中止などのほかは返却しません)〈申込方法〉@直接申込の場合…申込期間中に上記のものを添えてお申し込みくださいA郵送による場合(申込期間中に必着のこと)…現金書留に申込書、受験料を同封してください。1人で2つの級を受験される場合は、それぞれ別個に申込書を提出してください。申込受付後の変更、取り消しはお断りします。
▽受験料=1級…2,040円、2級…1,530円、3級…1,330円、4〜6級…920円、7〜10級…820円、暗算1〜6級…820円、段位…2,550円(珠算のみ2,200円、暗算のみ1,100円)上記受験料には消費税も含みます。
名張商工会議所女性会エアロビクスのご案内
▽日時=毎週土曜日(第5土曜除く)午後7時30分〜8時30分
▽場所=名張産業振興センターアスピア
▽講師=松山比香里先生、芝田記代先生
▽参加費=500円/1回・1人
▽服装=自由(動きやすい服装、靴でお越しください)
▽持ち物=タオル、飲み物等
※どなたでもご参加できます。
【名張商工会議所/電話63・0080】

 ■■ 9月8日(土)伊賀版 ■■

 

■月とかがり火で29日に上野城薪能・夫を待つ妻の嘆き描いた「砧」など
伊賀市の秋の風物詩となった上野城薪能は29日、上野丸之内の上野城本丸広場で催される。上野城薪能実施委員会が主催し、今年が第29回。
中秋の名月にもっとも近い土曜日に開催され、県外の能楽ファンにも定着。ライトアップされた天守閣をバックにした特設舞台で、月とかがり火の明かりのなか、能と狂言が披露される。
演目は、仕舞「月宮殿(げっきゅうでん)」ほか、和泉流狂言「井杭(いぐい)」、喜多流能「砧(きぬた)」。
「井杭」は井杭という男が主人公。井杭に目をかけてくれる人がいるのだが、その家へ行くといつも軽く頭を叩かれるため、井杭は清水の観世音に願いをかけ、かぶると姿が見えなくなる頭巾を授かって騒動を起こす。出演は井上蒼大さんら。
「砧」は世阿弥の作とされる名曲。3年ほど在京している九州の男が、「年の暮れには帰る」という妻への伝言を持たせて侍女を故郷へ帰す。侍女が戻ってみると、妻は夫の帰りが遅いのを嘆き、涙にくれていた。
妻は中国の伝説にならい、夫に音が届くよう砧を打つが、夫が暮れにも帰れなくなったと聞いて死んでしまう。やがて夫の前に霊となった妻が現れる。長田驍さんらが出演。
開演は午後6時。入場無料。雨天の場合は市立上野西小学校体育館で上演。
問い合わせ先は、市商工労働観光課(電話0595・43・2309)、当日は上野城(電話0595・21・3148)。
もっと楽しむ、おすすめ講座
上野城薪能が催される29日の午後3時から伊賀市上野丸之内の史跡崇広堂講堂で「上野城薪能をもっと楽しむおすすめ講座」が開かれる。
喜多流能楽師の長田驍さんが能の楽しみ方や当日の演目などをわかりやすく説明する。参加無料。定員は先着120人。
申し込みは主催の伊賀市文化都市協会(電話0595・22・0511)へ。

■名張で創作乱歩狂言「押絵と旅する男」
子ども狂言の会は初々しい熱演で人気
名張市出身の作家、江戸川乱歩の小説を原作にした「創作乱歩狂言」の公演が一日、松崎町のアドバンスコープADSホールで催された。
昭和4年に発表された「押絵と旅する男」にもとづき、押し絵細工の娘とその押し絵を携えて旅をする男が、名張にある造り酒屋の主人の助けを得て、絵のなかで永遠に結ばれるまでを描く。
能楽の笛方で狂言の創作も手がける帆足正規さんが脚色し、2004年11月、芭蕉生誕360年記念事業のひとつとして名張市で初演された。
この日の舞台には大蔵流の茂山七五三(しめ)さんら3人が出演。茂山さんによるユーモラスな演出が客席の笑いを誘い、乱歩が好んだ言葉「うつし世は夢、夜の夢こそまこと」の世界が情感たっぷりに表現された。
乱歩狂言はこのあと、名張市が行政職員を派遣して東日本大震災の復興を支援した宮城県塩釜市で10月6日に、乱歩の旧宅が残る東京都豊島区で区制施行80周年記念事業として12月16日に上演される。
乱歩狂言の前には茂山さんの指導を受ける「名張子ども狂言の会」も舞台を披露し、初々しい熱演で人気を集めた。


●着地型観光講演会 21日午後7時から伊賀市上野丸之内、ハイトピア伊賀五階多目的大研修室で。観光ビジネスコンサルタンツ社長の西川丈次さんが「おもてなし力・人間力を学ぶ〜心の接客で観光産業が変わる ホスピタリティ向上術!」と題して話す。申し込み、問い合わせは市商工労働観光課(電話0595・43・2309、ファクス43・2311、電子メールshoukan@city.iga.lg.jp)へ。
●輝け!いがっ子フォトコンテスト応募作品展 1日から14日午前中まで伊賀市上野忍町、上野銀座商店街ギャラリーで。第五回を迎えたコンテストの応募作品41点を展示している。









 ■■ 9月1日(土) ■■

 

■名賀医師会が救急医療週間で講演会
9月9日の救急の日と9日から15日までの救急医療週間にちなんで名賀医師会は6日、名張市のアドバンスコープADSホールで講演会を開く。
仙台市医師会理事・P野幸治さんの特別講演「東日本大震災を経験して〜医療から見た震災対応〜」、関西医科大学小児科学講座研究医員(名張市立病院小児発達支援外来専門医)・小林穂高さんの基調講演「個性? 障害? 発達障害と子育て」がある。
午後2時から4時30分まで。入場無料。申し込み不要。
協賛は伊賀歯科医師会、伊賀薬剤師会、名張市消防本部、後援は名張市、同市教育委員会、伊賀市、同市教育委員会、三重県医師会。
問い合わせは名賀医師会(電話0595・64・2321)へ。

■投稿   スイカとバナナを自動車に積んで
伊賀市上野玄蕃町 南出寛三
この猛暑に、大阪のホームレスは参っていることだろう。連日のように三十五度を超え、夜も三十度近くまでしか下がらない大阪で、ホームレスはつらい生活を送っている。
つかの間でも暑さを忘れてもらおうと、伊賀市と名張市の街頭でいただいたカンパから八百屋さんでスイカを十個買い、いつもお世話になっている田中青果さんでバナナを用意してもらって、七月三十一日の午前四時半に自宅を出発した。
自動車には、名張市内の建設会社から提供してもらった中古のポリ浴槽を積んであったので、そこに水を張ってスイカを冷やしながら、大阪を目指した。
午前六時に到着すると、ボランティアの人たちはもう炊き出しの準備を始めていた。
顔見知りの二人にスイカを切ってくれるようお願いし、私は炊き出しの燃料になる木材を集めて回った。
戻ってくると、小さく切られたスイカがポリ容器にきれいに並べられ、ホームレスたちはいつもより早く行列を作り始めていた。
大きなスイカだったが、彼らには一切れずつしか行き渡らない。だが、たとえそれだけでも、スイカを食べて夏の暑さを忘れてほしいと願った。
昼食の始まる十一時半には、大阪をあとにして、帰路についた。大阪の炎天下は、耐えられないほどの暑さになっていた。
暑さはまだまだつづく。しかし、暑さに負けることなく、またせっせと、バナナを大阪へ運ぼうと考えながら、伊賀に帰った。


「名張・産業まちづくりフェア」開催のご案内
名張商工会議所の平成24年度事業「名張・産業まちづくりフェア」を下記のとおり開催することとなりました。今回のフェアでは、広く名張市内外への企業PRや教育機関、地域づくり組織、支援機関などの事業・活動の紹介等を目的に開催するもので、ブース設置による出展を中心とした展開を予定しております。
▽開催日時=10月13日(土)午前10時〜午後5時、14日(日)午前9時30分〜午後4時
▽場所=名張産業振興センター「アスピア」建物内部および周辺
名張商工会議所女性会エアロビクスのご案内
▽日時=毎週土曜日(第5土曜除く)午後7時30分〜8時30分
▽場所=名張産業振興センターアスピア(9月1日は都合によりスポーツマツヤマ2階で開催します)
▽講師=松山比香里先生、芝田記代先生
▽参加費=500円/1回・1人
【名張商工会議所/電話63・0080】