■■ 5月25日(土) ■■

 

■いが再発見 No68・大人気の「なばり学」で郷土に誇りを
名張市の小中学生を対象にした郷土を知る副読本「ふるさと学習・なばり学」の下巻がこのほど出版された。これで1年前に出た上巻と合わせて2冊がそろった。名張市教育委員会が「名張は近畿と中部の接点、文化の十字路でもある。その郷土に誇りを持とう」という発想から編集したもので、自然から歴史、文化、産業まで幅広く扱った内容の副読本は「三重県下では初めて」と評価も高い。一般市民から「どこで買えるのか」という問い合わせがある一方、「大人用の名張学を作ってはどうか」という声も上がる人気だ。編集に携わった人たちにその狙いや苦労話を聞いた。
編集委員の1人が名張商工会議所・前専務理事の増岡孝則さん(68)だ。元々は名張市役所の行政マン。教育委員会次長の経験もあるうえ、会議所専務理事として地場産業にも明るいのが選ばれた理由のようだ。「私はあくまで商工会議所の専務理事の立場。下巻では企業を取り扱う部門もある。経済に詳しいという関係で委員に選んでもらったと考えています」
増岡さんの下巻に対する評価はこうだ。「四日市市や伊賀市などで観光サイドに限ってこれまで副読本が編まれたことはあったようです。しかし、義務教育で一貫して郷土についてしっかり語れるという教材はなかった。その意味で三重県初といってもいいのでは」
昨年出版された「なばり学・上巻」は小学1年から同4年までの副読本。それが今回できた下巻で小学5年から中学3年まで郷土について詳しく学ぶことができるのだ。
「これで小学生から中学まで系統的に郷土について学習することができる」と喜ぶ増岡さんだが、思わぬ副産物もあった。地域の人から下巻はいつできると、問い合わせや催促があったという。「名張は他府県から移住してきた人が多い。下巻は従来の歴史や文化のほか名張の工業、農業…続きは4月20日号の伊和新聞に掲載しています。※ご購読は名張市上八町1482 伊和新聞社 電話63局2355まで。定価月650円(郵送地区別途)、一部170円。


「なばり学」の出来栄えについて語る増岡孝則・前専務理事

実質的編集長として仕事を支えた福島由夏・前指導主事


「ゲスト・ティーチャー制度」に期待する谷戸実さん