名張市美術作家協会
 名張市美術作家協会の所属画家による三人展「美を求めて」が十六日から二十二日まで名張市の近鉄百貨店桔梗が丘店で開かれた。出展は、水彩画の小林芳郎さん(東町)、油彩画の久保照男さん(夏見)と杉本禮子さん(桜ヶ丘)の三人。いずれも同協会の会長を経験した実力派で、それぞれの画風で入場者を楽しませた。
 小林さんは協会の設立メンバーで、初代会長。十周年のときの会長も担当した。結成以来十四年の歩みを「ほかのメンバーから刺激を受けたり、技法的なことを吸収したり、いろいろ勉強できました。設立当初に比べると世代交代が進みましたね」。三号から十五号まで三十点を出品。得意の題材は白を生かした雪景色だが、今回は鮮やかな彩りで花や静物を描いた作品も目を引いた。
 久保さんは前会長。四号から十号の作品二十点を展示した。花や風景など年来のモチーフに加え、新しく「私風景」と題した作品も。花や野菜など日常的な素材をもとに、構成と色調のハーモニーによって心象風景を表現したという抽象画ふうの具象画。「具象画といってもリアリズムではなく、日常のなにげない光景に心象を重ね合わせています」。一昨年からの試みだという。
 杉本さんは現会長。会長として、「会員みんながいっしょに前進するために、いい雰囲気で勉強できる会になるよう心がけています」という。出品はサムホールから三十号まで二十点。題材として長く追求しているザクロの絵のほか、あまり出展したことがないという風景画も。「長瀬や青蓮寺など伊賀地域の風景が中心ですが、十津川を描いた作品は数年がかりで仕上げた大作です」
 この顔ぶれによる三人展は初めて。三者三様の絵の世界が多くの市民を集めた。協会には三十代から七十代まで二十三人が所属しており、このあとは恒例の秋季展へ向けて制作が進められる。

左から久保さん、杉本さん、小林さん
(近鉄百貨店桔梗が丘店で)
初代の小林さんら会長経験者
初の三人展でそれぞれの世界

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